「続けること」で手に入れたもの

終身雇用の時代は終わり、転職をしながらキャリアップを図る時代になりました。自分自身もそうです。少ないですが2社の企業で働き独立しました。

最近は、すぐに仕事を変わる人も多くなってきているように思います。実を言えば、僕も同じように長い間サラーリマン経験をしてきたわけではないのですが、デザインというフィールドで働き10年以上たったいま、続けてきたことでよかったなと思うことが最近多いです。

ですが、そんな自分も初めて入った会社では今とは違う仕事をしていました。

バッグだけを作りつづけるのは嫌だと思ってやめた仕事

初めて就職した先は、大阪のバッグメーカーでした。

入った会社では、バッグの商品デザインを担当しました。20人ほどの小さな会社だったため商品企画だけではなく、商品の発送から、搬入、倉庫の在庫整理、不良品の処理、市場リサーチ、中国へ生地やサンプルの買い付け、工場視察、OEM制作、展示会時の先輩デザイナーのアシスタントなどなど商品に関わる全工程に携わりました。

ですが、その当時はそう純粋に感じる事ができませんでした。

商品企画だけをしていたいと想いが強かった僕の心を見抜いてか、社長が「営業が嫌ならやらない方がいい、企画に専念してくれ」と僕だけ2年目から営業をしないスタイルになりました。

デザイナーが営業をするメリットは自分でもわかっていたつもりでした。商品作りでは特に、次の商品作りやよりよい商品を作るためには、現場の意見や状況を知る事が求められるからです。

現場の声やユーザーの声を聞かなければ、ニーズのない自分よがりな商品が生まれてしまいます。そのため、営業から帰ってきた方の意見を聞いたりする事で状況をカバーしていました。

仕事自体は刺激的なものでしたが、その一方でこのままでよいのかという気持ちが日に日に強くなってきました。自分がやりたいデザインはここにはないのではないかもしれない、一生バッグ作りをしていくのはごめんだと感じるようになりました。

それから仕事の合間を見つけてはデザインスクールに通ったり、作品作りをしながら、次の準備を行い約3年半で退職することになりました。

WEBデザイナーとして働く事になった制作会社

大阪の地を離れ、福岡に帰りWEBの知識なども得るためにスクールにも通いその後転職しました。その当時は、ブランディングをしたいという思いもあり、行えそうな企業を見つけてはエントリーしました。

運よく入れた当時の会社では、グラフィックデザイナーとして入社しましたが、会社の社長からは、WEBに行って欲しいと移動を命じられ入社後すぐにWEBデザインをすることになりました。

メーカー時代とは違う受託型のデザインに戸惑いながらも深夜遅くまで働き、朝は誰よりも早く出社するという日々を送っていたおかげで、技術的なスキルは随分と成長しました。

WEBデザインが上達するとうれしくなる反面、WEBデザイナーをするつもりもなく入社した社内で1人悶々としていました。

続けた事で見つけた新しいチャンス

その後、30歳になり独立し現在、スタートアップ や事業会社などのサービスに関わるデザインパートナーとして仕事をしながら、自分自身でもWEBサービスを開発しています。

WEBサービスには様々な技術が必要で、デザイン、プログラミング、マーケティングなど多岐に渡ります。

自分が現状できている仕事はそろそろ誰かにお任せしたいと考えているものの、基本的には1人でやっているため豊富なリソースはありません。

ただ、これまで積み重ねてきたデザインなどのノウハウが蓄積された事でWEBサービス開発という新しい扉が開いた感覚があります。

思えばあの時、制作会社時代にWEBデザイナーとしてのキャリアをスタートさせていなければ、WEBサービスを開発することもなかったのではないかと思います。

続けるというより、1が作れないと掛け算は結局できない

そう考えると結局は1を作る事がまずは大切なのではないかと感じます。1をまずは作る事が良いと思うのには、これまでの経験から以下の内容があるからです。

  • 1が作れないと、中途半端になり、きちんとしたノウハウを相手に伝えられない
  • 1が作れないと、初学者の分母が多すぎるため差別化しにくい
  • 1が作れないと、判断材料が少なく仕事への適性が判明しにくい
  • 1が作れると、スキルが身につく事で応用ができる
  • 1が作れると、信用が生まれやすく、安心して仕事が任せられる
  • 1が作れると、スキルセットを作りやすく貴重な存在になれる
  • 1が作れると、1を作るノウハウが自分の中で蓄積し、次のステップ時にも活用できる

1を作れた経験や80点までスキルを伸ばせた経験があれば、次のフィールドでもノウハウを活かす事ができるというのが一番強いのではないかと思います。

ずっと続ける必要はないけど、続けていれば新しいステージにステップできる

時代の流れがある中で、ずっと同じ事を続ける事がいいとは思っていません。常に時代は進化しているので、それに合わせて自分自身もフィットしていく必要はあるとも思っています。どんどん、行動をする必要の方が大切だとも感じています。

実際自分自身も常に進化を迫られており、業界的にも移り変わりが早いためキャッチアップし続ける必要があり、これをやっておけば安泰というものがありません。

続けるというと言葉自体が語弊なのかもしれませんが、1を作れた事は無駄にはなりません。というよりも無駄にせず、次につなげていく事でスキルセットが生まれ差別化する事ができます。

僕自身も道中であるので同じ事が言えると思っています。もっとはやくITに関わる業界に飛び込んでいれば、もっと若くして豊かな経験をしていたのではとも感じます。

ですが、メーカー時代で培った企画力や知識、制作会社や独立して積み上げてきたスキルが今活かされているのではと感じる事もあります。

ようやく今となって、これまでやってきた事がよかったのではと思う事が少し増えてきたので、当時の自分と同じように迷っている人の役に立てればいいなと思いまとめてみました。

松井 貴史

松井 貴史

ルビーデザイン代表。プロダクトに関わるUI設計が得意です。デザインだけではなく、現在エンジニアリング部分などにも領域を広げています。物と物をsnsで繋ぐマッチングサービスmonocrewを運営。

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